同人誌即売会に初参加(制作編)
今年の1月、同人イベントにサークルとして初参加した。
これを友人に打ち明けたら「何か形にして広めた方がいい」と言ってくれた事と、自分が他の人の初参加の記録を読んだとき大いに勇気付けられたのもあり、経験をブログにまとめようと思いました。
始めに、僕は絵を描くのは好きですが人に見せるのは恥ずかしいし、漫画を描いたこともなかった普通の学生です。この記事では作り方ではなく作っていく過程で何を感じたかをメインに話します。
同人誌を描きたいと思ってはいるけど1歩を踏み出せていない人、初参加の準備をしているけど漠然と不安がある人へ応援になればと思います。
◆1歩踏み出せばしばらくは勢いで進む
制作の話に入りますと成人向け同人誌を、期間は全工程で半年くらい。
きっかけはもともと好きなアニメの2期放送が決定した喜びから勢いで作り出しました。
「よっしゃー!2期決定だ!嬉しい!嬉しすぎるから同人誌描こう!」って感じだったと思う。ペンタブは昔買ったからパソコンに「Cloud Alpaca(無料の漫画制作ソフト)」を入れ、キャンパスノートに大雑把なネームを描き、下書き、線画、トーン、台詞、効果…最初のうちは勢いでとにかく描き進めた。
何するにも分からないんだからとやかく言う前に描き出さないとなと自分を鼓舞してた。
◆不安や恥をとりあえず頭から追い出す
制作開始から2カ月ちょい、何となく制作に慣れてきた頃になんだか不安になってきた。
コマ割りは分からないし構図はワンパターンだしページはなんでか全体的に白いし超展開だし手は上手く書けないし…作業を止めてしまうような考えが頭に無限湧き。
そんな時は「でも女の子がエロく可愛く描けたらそれで良くない?」の精神と完成しない事には色々考えても意味なしということでとにかく手を動かした。
不安にはなっても性癖を描いたものだから自分なりに上手く描けたときは達成感があったり、早くこのページ描きてぇな~と思いながらそのために他のページ頑張ったり。
更に描き進めていくと「人に見せることになる」という意識もチラついてきてなお不安になる。
絵が上手い訳でも無し、ただ好きでやっていること。「意味あるのかな…」とか「面白いか?これ?」とか「自分的には上手く描けたけど他から見てどうなんコレ…」とか自分でも何が不安なのか分からない不安に心が押しつぶされそうにも。絵を描くことが好きと言っても空いた時間をほとんど絵に費やすとさすがに疲れてきたり。描きたい時に描くのと描きたくない時にも描くのでは精神面への影響が全く違います。
ここで細々したことを考えても制作の邪魔になるのでそういう考えが頭に浮かんだときは
「でも自分が好きでやってることだしな!」
そこで思考をリセット、そして手を動かす。
やる気ある時はガーッと進むこともあるし、やる気が出ない時は下書きだけでもやっておこうとか、もう今日は休憩の日!として適度にバランスを取ったりして少しずつ完成に近づいて行った。
特に大変だったのが「後回しにしたコマ」と「台詞入れ」
ネームの段階で構図を考えておかないといざ描こうとなった時に前後のコマとのつながりや台詞の文脈などが思い浮かばなくなる。ネームはきちんと描こうと思った。
台詞については「成人向け」同人誌なので少しでも客観的になると凄く恥ずかしいような照れくさいような、しかも言葉選びも難しいので手こずった。酒を入れてみたりしたが頭がいまいち回らないのでおすすめしない。エロ同人の台詞にも素面で真剣に取り組む人がいるのだと身を以て知った。
出来ないことは多いけど、色々考えてしまうけど、作品を完成させられるのは僕しかいないんですから描くっきゃないのです。
◆あとがきも初めて
ある程度描き始めてしまえば後に引けなくなるし自分が完成品を見たくなってきたので、何度か挫けそうにはなっても途中で辞めようとはならなかった。
そんなこんなで本文が終わり、表紙を描き上げ、残りはあとがきを書くのみ。同人誌のあとがきを書くことになると1年前の自分が想像しただろうか。
長い期間をかけて作り上げた「自分の作品」のあとがきは熱気を帯びてしまいます。ましてこれを読むのは自分の渾身の一作を買ってくれた人たちですからいい加減なあとがきにはできません。推敲して伝えたいことをコンパクトに、ストレートに伝えることができました。
あとがきでようやく1冊描き切ったんだと実感が湧きました。この気持ちはきっと作品の数だけ様々だと思いますが間違いなく良い気持ちです。
◆1冊描き上げて
辛いと思う時もあるけれど、1度同人誌を描き切ると2度目はなんてことなく始められるし、やっぱ絵描くの楽しいわ!と思った。
冒頭にも述べましたが、僕がそうだったように、僕の経験が同人活動に初めて取り組んでいる人、迷っている人の背中をほんの少しでも押せたら、勇気付けられたらいいなと思います。
制作期間が1番長かったから伝えたいことも多くなってしまいました。
製本、当日、後日談編は次の記事でお伝えします。
制作は終わりましたが何部刷ったらいいのか、印刷所とのやり取り、設営の準備、当日の段取りなど当然初めてばかりでどれも衝撃的な体験ばかりでした。きちんと伝えられるよう頑張ります。